香椎ペットクリニックBLOG

2022.03.19更新

先日診察したチワワのお話ですが、3週間前から両目を痒がるという主訴で来院されました。
診察時は充血や涙・目ヤニはなく、特に異常を感じる外貌はありませんでした。
痒がるしぐさがあるので、結膜炎を疑われ、非ステロイド系抗炎症剤の点眼を行ったのですが、変わりはなかったそうです。
目に傷がないか、眼圧は問題ないかなど検査を行いましたが、問題はありませんでした。
ですが、目頭あたりをしっかり観察するとすると…

高木逆さまつげ

下瞼の目頭よりに小さな睫毛が見えるかと思います。(赤いマルで囲まれた部分)
これらの睫毛が眼の表面(角膜)に触れていました。
睫毛でも接触が長期化すると、角膜表面に異常を来たしますが、この症例ではまだ無傷のようでした。
オーナーには、この逆まつ毛を気にして両眼を痒がる仕草をしていた可能性を説明いたしました。ですが、この症例は下口唇や前肢に皮膚炎症状があり、アレルギー性皮膚炎が潜在している可能性もありそうでした。

両眼に見られる逆まつ毛を抜毛処置を行い、食事をアレルギー食への変更を提案しつつ、経過観察を行っていますが、今のところ再発は見られていないと思われます。

この逆まつ毛は肉眼でわかりづらいこともあり、ルーペなどで確認できることもあります。
目立った充血や目ヤニがなくても、眼に異常があることもありますので、おかしいと思うことがあれば診察を検討してください。

獣医師 高木

投稿者: 香椎ペットクリニック

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