香椎ペットクリニックBLOG

2022.01.09更新

「目の表面が白くなっている」
このような稟告で診察を受けた猫ちゃんのお話です。
お顔を見たら、目に白く濁った部分が見え、汚れかと思って拭こうとしたが取れなかったとのこと。
特に目を気にしたり、涙や目やになど無く、しっかりと目も開いています。
本人は何事もない感じですが、心配になって来院されました。

その写真はこちらです

高木角膜ジストロフィー

左眼の中央上部に白く濁った部分、中心あたりにさらに濃く白い部分が見えます。

この症例は8歳の中高齢のMixed Catでほかに数匹の同居猫と暮らしています。
ちなみにほかの猫さんは問題はありません。

これは「角膜ジストロフィー」という病気で、角膜にミネラルが沈着して、白く濁って見えています。しかし炎症などは起こしていないので、痛みはありませんし、目やにや涙が出ることもありません。
この病気は点眼薬などの内科治療には無反応ですので、基本は無処置となります。
しかし、慢性経過症例の中には混濁が角膜の細胞に影響を与え、角膜変性症に移行することもあります。

幸いにも、この猫ちゃんは半年ほど経過していますが、特に変化は見られていません。

角膜の変化はいろいろな病態があり、早急な治療を要するものや、経過観察を行うものなどさまざまです。
毎日とは言いませんが、ペットと向き合って、目をよく観察してあげてください。

獣医師 高木

投稿者: 香椎ペットクリニック

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