香椎ペットクリニックBLOG

2021.12.14更新

ノミには世界中に2000種類以上が存在し、動物にとって最も一般的な外部寄生虫です。
日本では主に『ネコノミ』が犬や猫の体表に寄生して、動物や人に様々な病害を引き起こします。

 

今回は、
①ネコノミの特徴
②ネコノミが引き起こす病害
についてご紹介したいと思います。

 

①ネコノミの特徴

成虫の体長は1~3㎜と小さいですが、驚異の脚力で体長の約100倍以上の高さまで飛んで動物に寄生します。
動物の体表以外にも、人間の膝下程度であれば容易にくっつくので、我々人間がネコノミを外から持ち込んでしまう原因になります。

 

また、ノミにとっては暖かい室内の方がより繁殖に適しています。
わずかメスノミ10匹でも1カ月後には約2000匹に増殖し、同時に9万個以上の卵と10数万匹の幼虫が潜んでいると言われています。

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成虫が愛犬・愛猫に寄生しているのを見つけた際には、すでに室内で大量発生している…というケースがほとんどになります。

  

②ネコノミが引き起こす病害

続いてネコノミが動物に寄生すると、皮膚炎や貧血などの症状を引き起こしたり、細菌や寄生虫を媒介して感染を引き起こしたりします。

 

代表的な病害は以下のようなものがあります。

・アレルギー性皮膚炎:ノミの唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみを伴います。

・瓜実条虫症(人にも感染):下痢や体重減少を引き起こします。

・吸血による貧血:大量寄生により、時に重度の貧血となります。

(人)猫ひっかき病:バルトネラ菌により、リンパ節炎や発熱を引き起こします。

(人)ノミ刺咬傷:ノミの唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみを伴います。

 

 

以上のように、ネコノミは動物だけでなく人にも様々な病害をもたらします。
中には重度になると死に至る可能性もあるので注意が必要です。

普段から掃除を徹底していたとしても、日々の室内へのノミの侵入はなかなか避けられないことです。

ノミによる健康被害から愛犬、愛猫、飼い主さんのご家族を守るために、ノミ寄生予防薬の定期的な投与をおすすめいたします。

 

また、ノミの予防薬には種類がたくさんありますので、ご不明な点がある場合はお気軽にご相談ください。

 

 

獣医師;田上

 

参考HP;内外寄生虫の基礎知識 | 犬猫の寄生虫対策 | Life with Pet エランコジャパン株式会社 (mypetandi.com)

投稿者: 香椎ペットクリニック

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