先日、実家の愛猫、高菜(たかな)の火葬を行いました。
18歳。
私が香椎ペットクリニックに勤め出した年に、
交通事故の子猫として運び込まれた、野良猫さんでした。
事故により横隔膜が破れており、緊急手術を行いました。
横隔膜の手術は、当時の僕にとっては初めての手術だったのですが、
術後管理を含め、この子にはたくさんの勉強をさせてもらいました。
保護して運び込んだ高校生は、その後連絡が途絶え、退院後は私が引き取ることに。
当時は実家に住んでいたのですが、動物はいませんでした。
昔、犬は飼っていたのですが、猫は初めてです。
18年間、大きな病気もせず、すごく賢い子でした。
先日、突然のふらつき、失禁、異常行動、意識がもうろうとした状態で実家から来院しました。
血液、レントゲン、エコー、CTを行いましたが、大きな異常は見つかりません。
症状的には完全に頭の中の異常でした。
原因を追求するには、全身麻酔が必要なMRI。
仮に何かわかったところで年齢的にできることは限られています。
ここ10年は実質両親にみてもらっていたので、
治療方針について意見を聞きました。
結論としては、安楽死処置を行うことになりました。
処置を行う直前、私の腕の中で安心したのか、静かに眠る高菜。
この眠った状態で静かに安楽死処置を行いました。
安楽死処置については賛否両論あるかと思います。
しかし、どちらが正解というものでもないと思います。
私と両親は、最後の責任を果たすべく選択したのが安楽死処置でした。
命は限りがあるから、尊く、愛おしいもの。
高菜、今までありがとう。
獣医師;河野